
「今日、仕事の会話以外をしていない」。リモートワークが定着したITエンジニアから、こうした話を聞くことがあります。
リモートワークでは、通勤がなくなり、集中しやすくなり、居住地も選びやすくなりました。一方で、人との接点を意識して作らなければ、一週間の会話が業務連絡だけになることがあります。
孤独は本人の性格だけで起きる問題ではありません。働き方と生活の構造から生まれる場合があります。この記事では、孤独の状態を5つに分けたうえで、状態別の対策を整理します。京都で7年157回のイベントを運営してきた「みやこでIT」の運営側の視点で書いていますが、コミュニティ参加が万能だという話ではありません。コミュニティで扱えない範囲も明記します。
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孤独の状態を5つに分けます
「孤独」とひとことで言っても中身が違います。必要な対策も変わるため、まず状態を分けます。
会話が少ない一日の発話量が少なく、雑談がない状態です。
技術の相談相手がいない小さな疑問や試したことを共有できる相手がいない状態です。
比較対象がない自分の働き方、会社、技術力が適切かどうか判断できない状態です。
達成を共有できないプロジェクトが終わっても、喜びや悩みを話せない状態です。
生活が閉じる仕事、食事、休息が同じ場所で完結し、外出する理由が減っている状態です。
自分がどれに当てはまるかで、打つ手が変わります。全部に一度に手をつける必要はありません。
なお、これらの状態が長引くと業務や体調にも影響する可能性がありますが、影響の大きさを測ったデータは持っていません。断定はせず、次の対策も「接点を作る」ところまでを範囲とします。
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対策1: 定期的な外出予定を先に入れます
気分が向いたら外へ出る、という方法では、仕事が忙しい時期に後回しになります。先に予定として置いておくほうが続きます。
- 週一回のコワーキング
- 月一回の勉強会
- 習い事
- 運動
- 図書館
- 家族や友人との予定
仕事と関係のない予定も含めておくと、仕事の状況に左右されにくくなります。頻度は人によります。週一回が適切とは限らないため、続けられる間隔から始めるほうが確実です。
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対策2: 会話量を自分で選べる場へ行きます
交流会が負担に感じるなら、もくもく会や聴講型のイベントを選びます。最初から人脈を作る必要はありません。
同じ場所で過ごし、挨拶できる人が一人増えるだけでも、外出のハードルは下がります。話す量を自分で決められる形式かどうかを、参加前に確認してください。「みやこでIT」のもくもく会も、作業時間と交流時間を分けて案内しています。
はじめての参加が不安な場合は、勉強会に行くのが怖い人へとはじめての方へを先に読んでおくと、当日の想像がつきやすくなります。
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対策3: 技術の共有先を作ります
共有する相手や場を決めておくと、小さな出来事を一人で抱え込みにくくなります。
- 個人開発の進捗
- 試したツール
- うまくいかなかったこと
- 小さな疑問
- 学習記録
社内だけで難しい場合は、外部コミュニティ、オンラインフォーラム、勉強会を使います。「みやこでIT」のDiscordでも、イベントで会ったメンバー同士が日常的にやり取りしています。対面で一度会っておくと、オンラインでも発言しやすくなる場合があります。
対面の場が持つ役割はオフラインコミュニティが重要な5つの理由で整理しています。
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対策4: 仕事以外の役割を持ちます
受付、写真撮影、LT登壇、会場案内、地域活動など、仕事の肩書とは違う役割を持つと、接点の作り方が変わります。役割があると、自分から話しかけなくても会話が生まれます。
ただし、孤独を埋めるために運営負担を抱えすぎないよう注意してください。負担が増えて参加自体がつらくなると本末転倒です。引き受ける範囲と期間を先に決めておくことを推奨します。
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対策5: コミュニティで扱えない問題を分けます
長期間続く不眠、食欲の低下、強い不安、気分の落ち込み、動悸などがある場合、コミュニティ参加だけで対応しないでください。
医療機関、産業医、自治体や職場の相談窓口、家族など、専門的な支援へつないでください。コミュニティは人との接点を作れますが、治療や専門的な相談の代わりにはなりません。ここは運営側としても線を引いています。
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運営側が気をつけること
場を用意する側の話も書いておきます。孤独を抱える人に対して、「参加すれば友人ができる」と約束しません。約束できないことを約束すると、来た人が余計に消耗します。
「みやこでIT」で気をつけていることは次のとおりです。
- 話さなくてもよいことを事前に伝える
- 途中退出できるようにする
- 写真掲載を選べるようにする
- 勧誘を禁止する
- 困った時の連絡先を用意する
- 初参加者へ過度に注目しない
- 常連だけの内輪話を続けない
安心して距離を選べる状態を保つことが、運営側の役割だと考えています。
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まとめ
リモートワークの孤独は、個人の弱さではなく、接点が自動では発生しない働き方から生まれることがあります。
対策は、人と大量に会うことではありません。
1. 定期的に外へ出る予定を先に入れる
2. 会話量を自分で選べる場を持つ
3. 技術を共有する相手や場を決める
4. 仕事以外の役割を持つ
5. 専門的な支援が必要な範囲を切り分ける
5つ全部を行う必要はありません。1つ選んで続けるところからで十分です。
「みやこでIT」も、孤独を解決すると約束する場ではありません。参加者が無理のない距離で、人や技術と接点を持てる選択肢の一つでありたいと考えています。京都近郊で接点を探している方は、イベント一覧から日程を確認してみてください。参加のハードルがいちばん低いのはもくもく会です。当日の流れはもくもく会の参加方法ガイドにまとめています。
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