「3回参加」から始まるITエンジニアコミュニティの本当の価値
ITエンジニア向けのもくもく会や交流会に「1回参加して、それっきり」になった経験はないでしょうか。
"みやこでIT"を7年間、145回以上運営してきた中で確信していることがあります。コミュニティの価値は、1回の参加では実感できません。少なくとも3回以上の継続参加で、初めて見えてくるものがあります。
この記事ではなぜ「3回」なのか、そして継続参加によって何が変わるのかを、実体験をもとに整理します。
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1回目の参加で起きること
1回目の参加は「様子見」です。
- 会場の雰囲気を確認する
- どんな人がいるか観察する
- 主催者と軽く挨拶する
- もくもく会なら、自分の作業に集中する
1回目で得られるのは「場の空気を知ること」です。「思ったより気軽だったな」「また来てもいいかも」——そう思えたら、1回目は成功です。
ただ、この段階ではまだ何も始まっていません。
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2回目の参加で起きること
2回目は「再会」です。
前回と同じ人がいると、自然と会話が生まれます。「あ、前回もいましたよね」——この一言が、関係性の起点になります。
2回目の参加で変わること:
- 前回の参加者と「顔見知り」になる
- 「あの人は何をしている人だ」という認識が生まれる
- 主催者との距離が縮まる
- 場への心理的な安全性が高まる
2回目はまだ「知り合い」の段階です。ただ、1回目とは明らかに居心地が違います。
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3回目の参加で起きること — ここからが本番
3回目は「仲間」への転換点です。
3回顔を合わせると、人は相手を「たまたま会った人」から「同じ場に属する人」として認識し始めます。心理学では、繰り返し接触することで親近感が増す現象を「単純接触効果」と呼びます。
3回目以降に起きる変化:
- 技術の話に加え、キャリアや仕事の悩みを相談できるようになる
- 「今度こういうことやりたいんだけど」という構想を共有できる
- 「一緒にやりませんか」という誘いが自然に生まれる
- 他の参加者を紹介してもらえるようになる
- イベント外でもSNSやDiscordでつながる
"みやこでIT"で実際に起きたコラボレーションの多くは、3回以上参加した人同士の間で生まれています。
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なぜ1回だけでは効果を実感しにくいのか
1. 信頼関係は時間がかかる
ITエンジニア同士が「この人と一緒に何かやりたい」と思うには、技術力に加えて人柄や仕事への姿勢を知る必要があります。それは1回の自己紹介では伝わりません。
2. 偶発的な会話は繰り返しで深まる
1回目の休憩時間に「何の言語を使っていますか?」と聞くのが限界でも、3回目になると「最近Rustを触り始めたんですけど、どう思います?」という具体的な話になります。
3. コミュニティの「空気」は体験を重ねないとわからない
1回の参加では、その日のイベントの良し悪しを評価しているだけです。コミュニティの文化や、どういう関係性が生まれうるのかは、複数回の参加を通じて初めて理解できます。
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3回以上参加した人に起きた実際の変化
"みやこでIT"の参加者に聞いた、継続参加による変化の実例です。
- 「3回目くらいから、イベント後にランチに誘ってもらえるようになった。そこから仕事の相談に発展した」
- 「最初は黙々と作業していただけだったが、4回目あたりから自分のプロジェクトについて話すようになり、フィードバックをもらえるようになった」
- 「半年通い続けた結果、フリーランス仲間ができて、共同で案件を受注できるようになった」
- 「転職を考えていたとき、もくもく会で知り合った人に相談したら、いい会社を紹介してもらえた」
これらはすべて、1回の参加では起きなかったことです。
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「3回通う」ための工夫
1. 月1回の予定として固定する
"みやこでIT"は月2-3回開催しています。そのうち1回を「毎月の予定」として入れてしまう。頻度を上げすぎないことが継続のコツです。
2. 「今日やること」を1つ決めて行く
もくもく会であれば、作業テーマを1つ持っていくだけで、参加の意味が明確になります。
3. 1人でいい、話せる人を見つける
全員と仲良くなる必要はありません。1人、気の合う人が見つかれば十分です。
4. Discordに入っておく
"みやこでIT"にはDiscordコミュニティがあります。イベントに行けない月でも、オンラインでつながっていることで、次回の参加がスムーズになります。
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まとめ
- 1回目は「偵察」。場の雰囲気を知るだけ。
- 2回目は「再会」。顔見知りができる。
- 3回目は「仲間」。信頼関係が芽生え、コラボの種が生まれる。
まずは3回。それだけで、「ただの作業会」が「自分の居場所」に変わります。
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