
先に結論をお伝えします。コミュニティサイトやオウンドメディアの検索流入は、Googleだけではありません。「みやこでIT」のアクセスを2026年7月24日に計測したところ、Bing経由の自然検索は直近90日で68セッションあり、これは同じ期間のGoogle経由(672セッション)の約1割にあたりました。数としてはGoogleが中心ですが、Bingにも継続した来訪があり、見落とすと取りこぼしになります。
この記事は、コミュニティサイトやオウンドメディアを運営するITエンジニア・運営担当の方に向けて、見落とされがちなBingという流入経路の実測値と、更新を各検索エンジンへ届けるIndexNowという仕組み、そして数値を公開する理由を共有します。
ひとつ最初にお断りします。以下の数字は「みやこでIT」という1つのサイトの、ある期間の実測です。IndexNowを導入したからBingの流入が増えた、という因果はこの記事では計測していません。「IndexNowを導入している状態で、これだけの来訪が実測できた」という事実として読んでください。
実測:Bingは「Googleの約1割」だった
まず数字です。取得日は2026年7月24日、GA4のデータをAPIから機械的に集計しました。当日を含めず、前日までの確定データを対象としています。
Bing経由の自然検索(bing / organic)のセッション数は次の通りです。
| 集計期間 | 期間の範囲 | Bing経由セッション |
|---|---|---|
| 直近90日 | 2026-04-25〜2026-07-23 | 68 |
| 直近28日 | 2026-06-26〜2026-07-23 | 27 |
同じ直近90日で、Google経由の自然検索(google / organic)は672セッションでした。割合にするとBingはおよそ10%、Googleの約1割です。1割と聞くと小さく感じるかもしれませんが、広告費をかけずに積み上がっている検索流入としては、無視できない規模です。
Bingを軽視しない理由
検索の届け先はGoogleだけではありません。Bingにも自然検索の利用者がいて、上の実測の通り一定数の来訪があります。さらに近年は、AIとの対話を通じた情報探索も広がっており、後述の通り「みやこでIT」でもAI経由の来訪が実測できています。
届け先が複数ある以上、更新はGoogleにもBingにも届けておくほうが取りこぼしを防ぎやすくなります。これはGoogleとBingのどちらが優れているという話ではなく、経路が分かれているという話です。
IndexNowとは何か、なぜ導入したか
IndexNowは、更新したURLを検索エンジンへ即座に通知する仕組みです。Bing・Yandex・Seznamなどが対応しており、クロールを待たずに「このページを更新した」と伝えられます。「みやこでIT」では、記事データを更新すると主要ページのIndexNow通知が自動で飛ぶ運用を導入済みです(新しい記事のURL自体は後述の通り個別送信です)。
実装はシンプルです。手動で主要URLや任意のURLを送れるスクリプト(scripts/indexnow-ping.py)に加えて、記事データ(lib/blog-data.ts)や記事ページの変更がmainに反映されると、GitHub Actionsがデプロイの反映を見込んだ待機時間を置いてから、トップや記事一覧を含む主要URLへIndexNow通知を送ります。新しい記事のURLそのものは、スクリプトに個別に渡して送る運用です。公開の操作とインデックス通知が地続きになっているため、送り忘れが起きにくい構成です。
ここでよく聞かれるのが「Googleへも同じように送れないのか」という点です。GoogleのIndexing APIは求人(JobPosting)と動画配信(BroadcastEvent)向けの用途に対応しており、通常の記事(Article)の送信は想定されていません。そのため「みやこでIT」では、2026年5月にGoogle向けのArticle送信を取りやめ、Google側はサイトマップの更新日を正確に保つこと・Search Consoleのインデックス登録リクエスト・内部リンクと外部参照で再クロールを促し、Bing側はIndexNowで即時通知する、という役割分担にしました。どちらかが劣っているのではなく、仕組みごとに向いた使い方が違うだけです。
大事な注意として、IndexNowは「更新を早く伝える」仕組みであって、上位表示や引用を保証するものではありません。土台になるのは、クロールできること・本文がテキストとして読めること・内部リンクで記事同士がつながっていること、という基本的なSEOです。
AI経由の来訪も、実際に届いている
数値の公開ついでに、AI経由の来訪にも触れておきます。同じ直近90日(2026-04-25〜2026-07-23)で、ChatGPT(chatgpt.com)を参照元とするセッションは合計20ありました。内訳はAIアシスタント経由が13、経路の記録が取れなかったものが7です。
これは、AIとの対話の中から実際にサイトへ来た人がいる、という事実を示します。ただし、この20というセッションがIndexNowやBingの索引によってもたらされたものだ、とは言えません。因果は計測していないため、「AI経由の来訪が実在する」という事実の紹介に留めます。それでも、検索とAIの両方から人が訪れているという実態は、コンテンツを整えておく十分な理由になります。
コミュニティサイトでBing流入と向き合うには
やることの中心は、実は特別ではありません。基本のSEOを丁寧にやることが、そのままBingとAI検索への備えになります。「みやこでIT」で意識しているのは次の点です。
- 記事とイベント情報をテキストとして積み上げ、クロールできる状態を保つこと
- 記事同士を内部リンクでつなぎ、更新のたびにIndexNow対応の検索エンジンへ通知すること
- サイトマップの更新日を、実際にコンテンツを更新したときだけ正確に動かすこと
「みやこでIT」は7年・163回の開催記録と612名のメンバーという積み上げがあり、記事とイベントのページが継続的に増えています。増えたページを取りこぼさず各検索エンジンへ届けることが、こうした地道な流入の一因になっている可能性があります。
検索流入をどう積み上げてきたかは、別の記事で半年分の記録を公開しています。会員向けだったサイトを記事の積み上げに変えた結果、検索クリックが約11倍になった過程を、数字の限界も含めて書いた会員サイトを記事に変えた半年の記録もあわせてご覧ください。運営の各種数値はコミュニティの実績ページでも公開しています。
なぜ数値を公開するのか
最後に、なぜこうした数字を出すのかについて。「みやこでIT」は、うまくいった話だけでなく、規模の小ささや因果の不確かさも含めて記録に残すようにしています。Bingが68セッションというのは、派手な数字ではありません。それでも実測をそのまま出すことは、同じようにコミュニティサイトを運営する人の参考になり、運営としての誠実さにもつながります。数字は今後も、良し悪しにかかわらず公開していきます。
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