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テストの、その先へ

料金・HTML・日本語を確かめた実装例

公開日:
みみやこでIT編集部
AI開発Web開発テスト日本語
コードを表示する端末と、利用者に見える画面を虫眼鏡で確認する図。自動テスト後の表示確認を表す比喩です。

イベントに参加しようと思った人が、会場や参加費を読み違える。そんな小さな食い違いがあると、申し込む前の判断が難しくなります。

2026年10月27日、「みやこでIT」のサイトで、日英のイベント詳細を改善しました。公式募集ページにある会場・アクセス・券種別料金を整理し、画面と検索向けの構造化データへ出す変更です。AIによる実装と独立レビューを進めるなかで、既存のテストだけでは拾えていなかった問題が見つかりました。

今回の変更から、AIと開発するときに確認したい三つの場面を紹介します。変更内容と検証記録はPR #374で確認できます。

料金の条件が消える

料金を英語に変換する処理で、金額部分だけを拾うと条件を落としてしまいます。たとえば「1000円〜」を単に「¥1,000」と出せば、最低料金が確定料金のように見えます。この反例は、今回のレビューで修正対象になりました。

そこで、範囲や下限がある料金は、その意味を残すようにしました。

入力例英語表示の期待値
1000円〜From ¥1,000
1000円以上¥1,000 or more
500円〜1,000円¥500 to ¥1,000

これは処理のテスト用入力例であり、特定のイベントの料金表ではありません。

確定価格として機械に渡す情報にも、別の条件が要ります。今回の実装では、範囲・不明・支払い方法以外の条件を含む料金は、JSON-LDの確定価格として出さない方針にしました。JSON-LDは、検索エンジンなどがページの情報を読み取るための形式です。

券種が複数ある場合は、名前と料金を対応させ、公式申込ページで各枠の条件を確認する案内を残します。無料枠が一つあることから「イベントは誰でも無料」と広げることを防ぐためです。

この問題では、「数字が読めるか」に加え、「その数字で参加判断をしてよいか」を期待値にする必要がありました。

HTMLの案内が欠ける

公式ページから参加情報を読み取る処理にも、抜けがありました。

券種を取り出す処理は、HTMLのclassが完全に同じ文字列で書かれていることに依存していました。たとえば class="ptype" に対応していても、class="ptype selected" では、同じ券種を示す要素を見落とします。

修正では、classの並び全体ではなく、空白で区切られた識別名にptypeが含まれるかを見ます。似た名前のptypesを誤って拾わないこともテストにしました。

アクセス文では、見出しの後にある最初のタグや改行で読み取りが止まる問題が見つかりました。リンクや強調、改行が入った案内では、文の後半を失う可能性があります。

こちらはアクセス項目の終わりまでを読み、タグや改行を表示用の文字列へ正規化するようにしました。同時に、次の案内項目まで混ざらない反例も追加しています。

今回の読み取りは、connpassの確認したHTMLパターンを対象にした処理です。今後のすべてのHTML変更に対応できると証明したわけではありません。

単語が途中で分かれる

画面の幅を測る検査と、文章を読む確認にも差がありました。狭い画面では、アクセス文の「徒歩」が「徒|歩」、注意書きの「確認」が「確|認」と分かれていました。横スクロールが出ていなくても、意味のまとまりは崩れます。

修正では、原文を変えず、短い意味単位だけを途中で改行しない要素にしました。文全体を一行に固定すると狭い画面ではみ出すため、駅名、徒歩時間、短い注意書きなど、必要な部分に絞ります。

日本語と英語の両ページで、スマートフォン幅を含む表示を確認しました。CSSを変えたあとに、実際の行末と次の行頭を続けて読み直す工程が必要でした。

反例を次の試験に残す

今回の最終版では、1068件のテスト、独立コードレビュー、GitHub上の必須CIを通過しました。その後、本番の日英イベント詳細を5幅ずつ、計10ケースで検査し、会場・アクセス・券種別料金と構造化データの一致、横はみ出し0、JavaScript例外0を確認しています。

この件数は、その確認範囲を示すものです。サイトの全ページや将来の入力を網羅した結果としては扱いません。AI検索での引用、申込、実際の参加者数への効果も、まだ測定していません。

自分の開発に持ち帰るなら、まず一つ、利用者が判断を間違えそうな入力を選んでみてください。期待する出力を先に書き、修正前にテストが失敗することを確かめます。修正後は、その入力だけでなく周辺のテストを通し、利用者が触る最終画面まで確認します。

他の人に相談するときも、「何のテストが通ったか」に加えて、「まだ何を確かめられていないか」を伝えると、確認してほしい範囲が明確になります。

作業中の疑問を持ち寄れる回を探している方は、「みやこでIT」のイベント一覧をご覧ください。内容や参加条件を確認し、自分の開発を進めたい回を選べます。

事例の確認日:2026年10月27日。対象はPR #374の変更と、その本番確認です。特定のAI製品の優劣や、すべての不具合を防げることを示す比較実験ではありません。

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