AI動画生成の基本と実践を学ぶ「AIで動画をつくる技術入門」を開催しました

AI動画生成の基本と実践を学ぶ「AIで動画をつくる技術入門」を開催しました
2026年5月28日(木)、京都を拠点に活動するITエンジニアコミュニティ「みやこでIT」では、オンラインイベント「AIで動画をつくる技術入門」を開催しました。
「みやこでIT」では対面から生まれる交流を重視しているためオンラインイベントは珍しいのですが、今回はスケジュール等の都合からGoogle Meetで実施してみました。
18名の方が参加してくださり、他イベントと比較してみても「AI動画は需要あるのだな」と思っているところです。
AI動画生成はテキストや画像から動画を作成できる技術として急速に進化しており、SNS動画、広告動画、採用広報、サービス紹介、プロトタイプ制作など、ビジネスやクリエイティブの現場でも活用が広がっています。
そこで今回のテーマは生成AI時代の映像制作ワークフローとして、AI動画生成の基本、主要ツールの違い、Text-to-Video、Image-to-Video、プロンプト設計、リファレンス画像の活用、商用利用時の注意点などを初学者向けに整理して学ぶ内容として展開しました。
AI動画生成を、初学者にもわかりやすく整理
今回のイベントでは、AI動画生成をこれから試したいITエンジニア、クリエイター、BizDev、マーケター、AI活用に関心のある方を対象に、AI動画制作の全体像を整理しました。
AI動画生成といっても、実際には複数の作り方があります。テキストから動画を生成するText-to-Video、画像をもとに動画化するImage-to-Video、既存の動画や画像をリファレンスとして活用する方法など、目的によって適したアプローチは異なります。
イベントでは、まずAI動画生成の基本を確認したうえで、どのような入力情報が動画の品質に影響するのかを整理しました。被写体、動き、カメラワーク、ライティング、構図、雰囲気、尺、画角など、動画ならではの指示要素をどうプロンプトに落とし込むかが重要なポイントになります。
主要なAI動画生成ツールの違いを紹介
AI動画生成ツールはここ数年で急速に増えています。イベントでは、Seedance、Kling、Runway、Sora、Luma、Pika、Google Veoなど、代表的なAI動画生成ツールの特徴についても紹介しました。
AI動画生成ツールは、どれを使っても同じ結果になるわけではありません。得意な表現、生成スピード、画質、人物表現、カメラワーク、商用利用条件、料金体系、操作性が異なります。
そのため実務で活用する場合は、「どのツールが一番有名か」ではなく、「何を作りたいのか」「誰に見せるのか」「どの品質まで必要なのか」「商用利用できるのか」という観点で選ぶ必要があります。
たとえばSNS投稿用の短尺動画を素早く作る場合と、広告クリエイティブの検証に使う場合、サービス紹介動画の素材として使う場合では、求められる品質もチェックすべきポイントも変わります。AI動画生成を業務で使うにはツール比較だけでなく、制作目的から逆算したワークフロー設計が不可欠です。
動画生成プロンプト設計の考え方
今回のイベントの中心テーマの一つが動画生成におけるプロンプト設計です。
画像生成AIと同じく動画生成AIでもプロンプトは重要です。
ただし、動画では「静止画として何が写っているか」だけでなく、「時間の中で何がどう動くか」を指定する必要があります。
具体的には以下のような要素を整理してプロンプトに反映します。
- 被写体: 誰が、何が映るのか
- 動き: 被写体がどう動くのか
- カメラワーク: ズーム、パン、ドリー、固定など
- ライティング: 自然光、ネオン、映画風、逆光など
- 雰囲気: 未来的、温かい、静か、ダイナミックなど
- 背景: 都市、自然、室内、店舗、オフィスなど
- 用途: SNS、広告、採用広報、サービス紹介など
AI動画生成では曖昧な指示だけでは意図した動画になりにくい一方で、細かく指定しすぎても破綻する場合があります。そのため、プロンプトは「目的」「構図」「動き」「雰囲気」を分けて考えることが重要です。
リファレンス画像の活用と一貫性の課題
AI動画生成ではリファレンス画像の活用も重要です。テキストだけで動画を生成する場合、人物、商品、キャラクター、ブランドイメージの一貫性を保つことが難しい場合があります。
そこで、画像をもとに動画を生成するImage-to-Videoや、参考画像を使った生成が有効になります。イベントでは、人物・商品・キャラクターの見た目を保ちながら動画化する考え方についても扱いました。
特にビジネス利用ではブランドの印象や商品の見え方が崩れると、そのまま使える素材にはなりません。AI動画生成を「遊び」ではなく業務に使うなら、リファレンス設計、生成後のチェック、必要に応じた編集工程まで含めて考える必要があります。
商用利用・著作権・肖像権の注意点
AI動画生成を実務で活用する際に避けて通れないのが、商用利用や権利面の確認です。
イベントでは著作権、肖像権、商標権、各AIツールの利用規約など、ビジネス利用時に注意すべき点についても整理しました。
AIで生成した動画だからといって、必ず自由に使えるわけではありません。ツールによって、商用利用の可否、生成物の扱い、学習データに関する方針、人物や著名キャラクターに関する制限が異なります。
特に企業利用では広告、採用広報、SNS運用、サービス紹介動画に使う前に、利用規約と権利関係を確認する必要があります。AI動画生成は便利ですが、権利確認を省略すると、後からブランド毀損や法務リスクにつながる可能性があります。
講師は京都市で活動するWebデザイナーのmakiさん
今回の講師は、京都市でフリーランスのWebデザイナーとして活動するmakiさんでした。HP・LP制作を中心に、ターゲットから考えるデザインを提供しており、Webデザイン講師も兼任されています。
AI動画生成は技術そのものだけでなく、誰に何を伝えるための動画なのかという設計が重要です。その意味で、WebデザインやLP制作の視点から、ターゲット、構成、見せ方を踏まえてAI動画生成を扱うことは、実務的な学びにつながりました。
京都のITコミュニティ「みやこでIT」について
「みやこでIT」は京都を拠点に活動するITエンジニアコミュニティです。Web3、ブロックチェーン、AI、アプリ開発、Web開発などに関心を持つ人たちが集まり、もくもく会、勉強会、LT会、交流イベントなどを継続的に開催しています。
「みやこでIT」が重視していることは技術を学ぶだけで終わらせず、参加者が実際に手を動かし、仲間と出会い、友人となったり仕事やその他プロジェクトに繋がる場をつくることです。
京都には大学、行政、伝統産業、観光、スタートアップ、IT企業、クリエイターが集まる独自の土壌があります。その中でAIやWeb3などの新しい技術を地域の文脈に接続し、学びと実装を循環させることが、地域に根ざしたITコミュニティの役割だと考えています。
AI動画生成は、エンジニア・クリエイター・BizDevにとって実務スキルになる
今回の「AIで動画をつくる技術入門」は、AI動画生成を一部のクリエイターだけのものとしてではなく、エンジニア、BizDev、マーケター、事業開発者にとっても使える実務スキルとして捉える機会になりました。
今後動画制作はより高速化し、企画、検証、広告、採用、営業資料、SNS運用などの現場で、AI動画生成を活用する場面は増えていくはずです。
「みやこでIT」では、今後も京都を拠点に、AI・Web3・ブロックチェーン・アプリ開発などに関心を持つエンジニア、学生、クリエイター、事業開発者が学び合い、実装につながる機会を継続してつくっていきます。
京都でAI活用を学びたい方、AI動画生成に関心がある方、ITエンジニアやクリエイターと交流したい方は、ぜひ今後の「みやこでIT」のイベントにもご参加ください。
※続編となる第2回の開催レポートをAIショート動画を企業PRに活かす生成AI講座を開催しましたとして公開しています。
関連記事
【開催報告】AIショート動画を企業PRに活かす生成AI講座を開催しました
京都のITコミュニティ「みやこでIT」が、AIショート動画を企業PRに活用する実践講座を開催しました。約20名が参加し、題材選び、プロンプト設計、生成結果の改善、編集、企業紹介PVの制作工程を学びました。
「会社の中だけより、外の人と話すのが楽しい」製造業エンジニア・松浦さんが「みやこでIT」に2〜3年通う理由
製造業で装置制御やWindowsソフトウェアの保守・開発に携わる松浦さんに、「みやこでIT」へ参加したきっかけ、2〜3年通い続ける理由、初参加者にも開かれたコミュニティの魅力、今後やってみたいLTや運営支援について聞きました。
ITエンジニアコミュニティ15選【2026年版】|活動確認済み
ITエンジニアが参加できるコミュニティを、全国区9団体・地域6団体の計15団体紹介します。学習・交流・登壇・地域という目的別の選び方、初参加までの4ステップ、よくある質問まで、京都で7年・157回のコミュニティ運営経験をもとに整理しました。全国を網羅する一覧ではありません。掲載順は優劣ではなく、各団体は公式サイト・connpass等の一次情報で活動を確認しています。
🏷️このカテゴリ:イベントレポート
カテゴリ一覧もくもく会・ハンズオン・交流会の開催レポート。
京都のITエンジニア交流会・もくもく会開催レポート|不思議な宿・佛現寺
京都でITエンジニア交流会やもくもく会を探している方へ。2026年8月、不思議な宿と佛現寺で開催した3企画の違い、会場の雰囲気、参加目的に合う選び方を写真付きで紹介します。
IBM量子コンピュータ実機でノイズとGrover探索を体験|入門シリーズ第3回
2026年7月27日、京都・五条の「不思議な宿」で量子コンピュータ入門シリーズ第3回を開催しました。超伝導・イオントラップ・中性原子・光量子の4方式を比較し、QiskitからIBM Quantum実機へ回路を送り、ベル状態のノイズとGrover探索を学んだ技術レポートです。
京都・佛現寺でみやこもくもく会#59を開催|中学生〜50代の約10名が参加
2026年7月25日、京都市中京区の佛現寺で「みやこもくもく会#59 with Digital Nomad Kyoto」を開催しました。中学生から50代まで約10名が参加し、お寺の本堂で各自の作業と世代を越えた交流を行った開催レポートです。
YARIGAIにスポンサー賞|Impact Kyoto Hackathon 2026
「みやこでIT」はImpact Kyoto Hackathon 2026にスポンサーとして参加し、チーム「YARIGAI」にスポンサー賞を贈呈しました。生成AI時代における「やりがい」と人間の価値を守るプロジェクトに共感し、1年間「みやこでIT」のイベントへ無料で参加できるご招待チケットを提供しました。
量子コンピュータ入門シリーズ完全ガイド|ITエンジニア向け全3回
ITエンジニアのための量子コンピュータ入門シリーズ全3回のガイドです。量子力学の基礎、量子回路とShorのアルゴリズム、4つの実装方式、IBM Quantum実機でのノイズとGrover探索まで、各回の開催レポートへ順にたどれます。
AI動画生成の学び方ガイド|Text-to-Video入門
AI動画生成をText-to-Video・Image-to-Videoの基本から学び、企業PRへの活用につなげるためのガイドです。プロンプト設計の入門から、京都の「みやこでIT」が開催した勉強会レポートまで順にたどれます。
【開催報告】AIショート動画を企業PRに活かす生成AI講座を開催しました
京都のITコミュニティ「みやこでIT」が、AIショート動画を企業PRに活用する実践講座を開催しました。約20名が参加し、題材選び、プロンプト設計、生成結果の改善、編集、企業紹介PVの制作工程を学びました。
量子計算はどう動く?量子回路とShorのアルゴリズム|みやこでIT開催レポート
みやこでITは2026年6月29日、大阪大学大学院理学研究科の大野木哲也氏を講師に、量子コンピュータ入門の第2回を開催しました。量子ビット、量子回路、Shorのアルゴリズムを学び、講義の合間には初心者向けヨガも体験しました。
✍️この著者:みやこでIT編集部
著者ページ京都のITコミュニティ「みやこでIT」運営チームによる共同執筆・運営記事。
京都のITエンジニア交流会・もくもく会開催レポート|不思議な宿・佛現寺
京都でITエンジニア交流会やもくもく会を探している方へ。2026年8月、不思議な宿と佛現寺で開催した3企画の違い、会場の雰囲気、参加目的に合う選び方を写真付きで紹介します。
IBM量子コンピュータ実機でノイズとGrover探索を体験|入門シリーズ第3回
2026年7月27日、京都・五条の「不思議な宿」で量子コンピュータ入門シリーズ第3回を開催しました。超伝導・イオントラップ・中性原子・光量子の4方式を比較し、QiskitからIBM Quantum実機へ回路を送り、ベル状態のノイズとGrover探索を学んだ技術レポートです。
京都・佛現寺でみやこもくもく会#59を開催|中学生〜50代の約10名が参加
2026年7月25日、京都市中京区の佛現寺で「みやこもくもく会#59 with Digital Nomad Kyoto」を開催しました。中学生から50代まで約10名が参加し、お寺の本堂で各自の作業と世代を越えた交流を行った開催レポートです。
コミュニティサイトの検索流入、実はBingも効いていた
コミュニティサイトの検索流入はGoogleだけではありません。「みやこでIT」のGA4を2026年7月24日に実測すると、Bing経由の自然検索は直近90日で68セッション、同じ期間のGoogleの約1割にあたる規模でした。記事の公開・更新時にIndexNowで各検索エンジンへ通知する運用を導入済みの状態で観測したこの数字と、AI経由の来訪、そして「なぜ数値を公開するのか」を、因果を断定せずに記録します。
コミュニティサイトをGA4でどう測るか|「みやこでIT」の計測設計
ITコミュニティの運営サイトで、GA4を使って何をどう測ればイベント運営の判断に効くのか。「みやこでIT」が実際にサイトへ組み込んでいる計測——connpassへの送客、Discordの参加導線、記事の読了とスクロール——を、使っているコンポーネント名まで含めて公開します。7年・157回の開催を続けるコミュニティの実例です。
YARIGAIにスポンサー賞|Impact Kyoto Hackathon 2026
「みやこでIT」はImpact Kyoto Hackathon 2026にスポンサーとして参加し、チーム「YARIGAI」にスポンサー賞を贈呈しました。生成AI時代における「やりがい」と人間の価値を守るプロジェクトに共感し、1年間「みやこでIT」のイベントへ無料で参加できるご招待チケットを提供しました。
会員サイトを記事の積み上げに変えた半年で検索クリックが約11倍になった話
会員向けサイトだった「みやこでIT」を、記事を積み上げるサイトに変えて半年。2026年1月の検索クリック17を起点に6月は183へ(約11倍)、表示回数は計測開始の2025年12月比で約35倍に。指名検索に頼らず新規の来訪が増えた過程を、数字の限界も含めて正直に記録します。
勉強会協賛・共催の実例5選|採用・技術広報につなげる設計
勉強会への協賛・会場提供・共催を、採用・技術広報へどう接続するか。みやこでITの公開実例5件を、確認できた事実・期待できる価値・未計測の成果に分け、再現手順とKPIを解説します。
コミュニティに参加する
京都でITエンジニア仲間を見つけたい方へ
「みやこでIT」では、京都のお寺・町家・大学などで、もくもく会や勉強会を毎月開催しています。
📊 Source data
本記事に登場する「7年・157回・629名」「お寺/町家会場での開催」等の数値は、 「みやこでIT」年次統計レポート(/community-stats) の一次データに基づきます。年別開催数・会場分布・イベント種別構成の集計を公開しています。
LM-4無料配布資料
京都のお寺でコードを書く — 「みやこでIT」参加ガイドブック2026
7年157回運営の実績から整理した、初参加を成功させる実践ガイド
対象:京都のITエンジニア・転職検討者・勉強会初参加の個人
この記事に関連する募集中イベント
8月28日(金)
【となりのAIさん】AIとの関係を持ち寄る、小さな対話会。@京都
本イベントはPeatixでも公開しています。